「我が子を幼児期のうちに運動能力を身に付けさせたい!」
「うちの子運動が苦手で・・・。」
この記事ではそんな希望や悩み持っている方々に、幼児体育とはどんなことをするのかを紹介します。
幼児体育は、マット運動、鉄棒、跳び箱、球技など様々な種目に遊びを通して挑戦し、心や体を育てていくことを目的としています。
「遊びを通して」これがとても重要で、子どもは楽しくなければ続かないし、挑戦することに抵抗を感じます。
例えば、「鉄棒の逆上がりを練習するよ!」と言っても、特に運動が苦手な子はやりたがらないでしょう。
でも、「先生と一緒におサルさんに変身して回ってみようよ!」と言えば、もしかしたら楽しく感じ、挑戦してくれるかもしれません。
種目自体を遊びとして取り組むことで、子どもは運動に意欲的になり、結果的に運動能力が身に付きます。
運動が得意な子も苦手な子も楽しい体育!それが幼児体育です。
1 幼児体育のボール遊びの種類と内容
ボールを使った遊びには、転がす、止める、投げる、捕る、など様々な要素が含まれています。
我が子に将来なにかしら球技をやらせたい!という方がいれば、幼児体育で行うボール遊びは、球技全般で必要な動きが身に付くので必見です!
ここからは年齢別に行うボール遊びを紹介します。
<3歳児で行うボール遊び>
・飴玉つくり
色付きのフープやラインカーで書いた円にボールを転がして入れます。
飴玉つくりなので、赤に入ったらイチゴ味、黄色に入ったらレモン味など、円に入ったら完成する飴玉の種類を教えてあげると遊びとして楽しめます。
最初は円をたくさん用意するか、大きな円を用意し、子どもが完成しやすいようにします。
慣れてきたら逆に円を減らす、もしくは小さくして難易度を上げると、転がす能力に加えて力加減も身に付きます。
距離を変えるのもグッドです。
・転がし部位止め
キャッチボールの要領で、2人1組でボールの転がし合いをします。
最初は手でも構いませんが、慣れてきたら頭やお腹、おしりなどで止めてみると難易度もあがって楽しいです。
ボールをよく見ることで、転がすだけでなく止める能力が身に付きます。
友達同士で行うのは3歳児には少し難しいと思うので、親子や園の先生と行うとスムーズに進行できます。
<4歳児で行うボール遊び>
・何回弾むかな!?
ボールを上に投げて地面に何回弾むかを数える遊びです。
より高く投げた方がいっぱい弾むので、子どもは一生懸命上に投げます。
また、弾んでいる間にボールを捕る遊びに変化してあげると、投げる力に加えて捕る能力も身に付きます。
・ボール箱入れ
指定された場所から狙った箱の中にボールを投げて入れます。
入ったら点数をつけてあげる、もしくはチームで何回入るかを競争するのも面白いです。
慣れてきたら距離を遠くするなど難易度を上げることで、遠くに投げる力、狙った所に投げる能力が身に付きます。
<5歳児のボール遊び>
・キャッチボール
友達同士でキャッチボールを行います。
ボールの種類は、最初はドッチボールで使用するようなものが理想ですが、色々な種類のボールに挑戦するのも良いでしょう。
落とさないで何回続くかチャレンジすることで、どの辺に投げたら相手が取りやすいか、どのような捕り方だと落とさないか、投げる強さや距離感が身に付きます。
・中当て
ドッジボールの導入部分にあたる遊びです。
5歳児にもなれば、ある程度複雑なルールにも対応して遊ぶことができるので、中当てはしっかりとルールを伝えて行います。
大人数でもできる遊びですが、ここでは3人1組で行うルールを説明します。
<ルール>
四角い枠をつくり、1人枠内に入る子を決めます。
残りの2人は枠の外からボールを投げ、中の子に当てます。
中にいる子は当たらないように逃げ回りましょう。
落とさないでキャッチしてもセーフです。
当たったらボールを当てた子と交代をします。
最後まで中に残った子が優勝です!
この遊びでは外にいる子はボールを遠くに強く投げる力、反対からくるボールを捕る能力が身に付き、中の子はボールをよく見て避ける、捕る能力が身に付きます。
3~5歳児で行うボール遊びを紹介しましたが、ボール遊びの種類は無限です!
幼児期のうちはとにかくボールに慣れることなので、幼児体育では他にも様々な遊びを取り入れます。
2 幼児体育のマット運動ですること、その効果
マット運動は様々な種目の導入部分に用いられます。
幼児体育では遊びを通して体を支えたり、跳んだり、回ったりを経験し、種目に必要な動きを習得します。
鉄棒や跳び箱を行う際もまずはマット運動からです。
ほんの一部分ではありますが、目的別にマット運動で行う遊びを紹介します。
<体を支える、跳ぶ>
・動物模倣
動物に変身してマットの上を歩く遊びです。
例えばライオンだったら、両手をついて膝がつかないように歩くことで体を支える能力が身に付き、ウサギだったら、両足を揃えてジャンプしながらマットの上を進み、跳ぶ能力ができます。
<回転感覚を身に付ける>
・おいもころがり
マットの上で横になり、腕と足をしっかり伸ばして転がります。
まずは回転する感覚に慣れることを目的とした遊びです。
・でんぐり返し(前転)
両手をついて足を広げ、足の間を覗き込むようにしながら後頭部をつけて回ります。
最初は転がった後バターンと倒れこむ形になる子が多いですが、「回った後膝を曲げておにぎりをつくろう!」などと教えてあげたりすると、綺麗な前転にもつながります。
ライオン歩きやおいもころがりをたくさん行った上で挑戦すると、よりスムーズな動きになります。
体を支える運動を行うことで、でんぐり返しや鉄棒のつばめの姿勢につながります。
また跳ぶ運動は、跳び箱の両足ふみきり、跳ぶ際にも高くジャンプする動きにつながります。
でんぐり返しとつばめの姿勢を覚えたら、鉄棒の前回り下りとほぼ同じ感覚を養えます。
マット運動は種目の一環ではありますが、他種目にもつながるとても大事な動きを身に付けることができるのです!
幼児体育と運動遊びまとめ
主にボールとマット運動のお話をさせていただきましたが、まだまだ話足りないです(笑)
少しでも幼児体育ですることの参考になったでしょうか?
7年間、幼児体育教室の講師を経験した先生からは、子どもにとって「できる」「できない」よりも、やはり「楽しいか」「楽しくないか」が重要と教えていただいたことがあります。
楽しいから意欲的に続くし、その方が自然とたくさんのことが身に付きます。
この記事を読んで、幼児体育教室に興味をもった方、もしくは家庭でどんな運動をさせたら良いのだろうと悩んでいた方の力になれたら嬉しいです。